Dictionary [AROUND]: 多角的な意味を含む前後左右への英単語

around

around

adverb, preposition
UK/əˈraʊnd/US/əˈraʊnd/

in a circular direction or position; in the area or vicinity of; approximately

Thesaurus
Synonyms
Antonyms

How to Use

場所や範囲の周辺、回り道、約・およそなど、多面的に使える単語です。

「around」は英語において非常に柔軟に使える単語の一つです。まず前置詞として、「~の周りを」や「~を囲むように」という意味で使われます。たとえば “Walk around the park.”(公園を一周散策する)のように、ある対象物やエリアを取り囲む動きや位置を表現するのに非常に便利です。日常会話でも、誰かに場所の説明をするときに “There’s a convenience store around the corner.”(角を曲がったところにコンビニがある)と言えば、位置関係をわかりやすく示せます。また、「おおよそ」「約」といった数値の概算を表す意味でも頻繁に使われます。たとえば “It’s around 10 minutes’ walk from here.”(ここから歩いておよそ10分だ)と伝えれば、正確な数値ではなくざっくりした目安を示すことができます。ビジネスやフォーマルなシーンでも “We have around 50 participants.”(参加者はだいたい50名です)のように、数字を厳密に言い切らなくてもコミュニケーションを円滑に進められる便利な表現です。さらに、「取り囲む」「あたりを回る」というニュアンスから派生して、「~の周辺にある」「広範に存在する」といった使い方もあります。ソフトウェア開発の文脈で “The issue revolves around performance.”(問題はパフォーマンスを取り巻いている/パフォーマンスが主な焦点だ)と述べれば、焦点や中心的な話題をあらわすフレーズとしても機能します。こうした場面ごとの用法を整理すると、(1) 空間的に囲む・回る (2) およそ・約という数値の幅 (3) 話題や興味の中心を覆う、といった三つの観点で覚えやすくなるでしょう。単純な前置詞にとどまらず、幅広いニュアンスを内包するため、自分の意図する方向性に合わせて使いこなすと英語の表現力を一層高められます。

Alternatives

「around」を別の表現で置き換えたい場合、場面やニュアンスによってはさまざまな選択肢があります。たとえば空間的な話題に注目して「周りを回る」イメージを伝えたいなら、「round」「about」を使うことが可能です。イギリス英語では「round」がカジュアルでよく登場し、「He walked round the park.」というと「彼は公園をぐるりと回った」の意になります。一方「about」はアメリカ英語でも使われますが、文脈や話し言葉かどうかによって「about」と「around」を使い分けることが多いです。数値の概算や「おおよそ」を示したいときには「approximately」「about」「roughly」などが有力候補です。たとえばビジネス文書やプレゼンなど、もう少しフォーマルに数値を伝えたい場合は「approximately」を多用します。「about」はより口語的で柔らかい印象を与える表現です。クライアントや上司に対して概数を伝えつつも丁寧さを残したいときは「around」や「approximately」を併用すると自然でしょう。また、「範囲」を広く見渡す際や、広域を覆うイメージには「throughout」も選択肢になります。たとえば「throughout the city」(市内全域で)は、「around the city」とは少しニュアンスが違い、「まんべんなく」「隅々まで行き渡っている」感覚が強まる点が特徴です。「around」はもう少しザックリしたイメージをもたらすので、必要に応じてその曖昧さを活かすか、厳密さを求めて「throughout」や「across」を選ぶかを判断すると良いでしょう。

Writing

文章を書くときに「around」を使うと、読者に「ゆるやかな概念」を提示しやすくなります。たとえば「We invited around 20 people to the seminar.」(セミナーにはだいたい20人を招待しました)という一文は、正確な人数を示すわけではありませんが、概数を読者に把握させるうえで十分です。また、自然な文章の流れを意識するなら、「about」や「approximately」などの類語を時々混ぜながら使い回すと、単調さを防げます。空間的な説明において「around」を頻用すると、文章が「ざっくりとした印象」を保ちやすくなります。観光ガイドや旅行ブログで「There are many cafes around the main station.」(メイン駅の周辺には多くのカフェがある)のように書けば、細かい位置説明は省略しながら雰囲気を伝えることが可能です。必要に応じて「near」「close to」などを使い分ければ、より正確に位置関係を伝えられます。また、論文やレポートで「大まか」「およそ」というニュアンスが必要なときは、フォーマルな文調に合わせて「approximately」を使うほうが妥当なケースが多いでしょう。しかし、読みやすさを重視するなら「around」を用い、括弧内や脚注で補足説明を行うという手法も考えられます。文体にメリハリをつけるためにも、時には「around」を取り入れて柔軟な印象を演出してみるのも有効です。

Casual Conversation

カジュアルな会話で「around」は実に使いやすい言葉です。友達と待ち合わせをするとき、「I’ll be around the station at 5.」(5時には駅のあたりにいるよ)と言えば、「駅近くにはいるがどこかは特定していない」というゆるい予定を示せます。また、「What time will you come home?」「Around 7-ish, I think.」(何時ごろ帰る? おそらく7時くらいかな)と答える際も自然です。きっちり時間や場所を決めず、あいまいさや柔軟さを保ちたいときに多用されがちです。飲み会の人数をざっくり伝えるときにも「We’ve got around 10 people coming.」といえば、「だいたい10人が参加予定」という雰囲気をやんわり共有できます。SNSやメッセージ上でも、はっきりと分からない情報を述べるときや、あまり厳密には考えていない状況で「around」を挟むと、会話がスムーズに進むケースが多いです。細かい数字や場所の指定を避けながら、互いのコミュニケーションを柔軟に保つ効果が高いからです。また、「He’s been around.」というような言い方をすると、「彼は経験豊富だね」「彼はいろいろなところを経験してきているよ」というニュアンスが出る場合があります。「人生経験」や「場所を転々としている」ことをざっくり示すために、カジュアルな会話でしばしば登場する表現です。こうした日常的なフレーズを覚えておくと、「around」のあいまいさや包括性を活かした自然な英会話が身につきやすいでしょう。

Etymology

「around」の語源は、古英語の“on rīmed”または“on + ūrūnde”などが起源と言われ、「円形」「ぐるりと囲む」というイメージを含んでいたと考えられています。また、ラテン語などの影響を受けながら中世イングランドで方言的に使われていた “a + round” が徐々に標準化され、現在の形へと確立されました。もともとは「円を描くように周りを巡る」ニュアンスだったため、「丸いイメージ」を伴ったり、「回り込む」や「囲む」といった感覚が組み込まれやすいのが特徴です。時代が下るにつれ、単なる空間的な「ぐるりと回る」という意味だけでなく、抽象的に「おおよその範囲を示す」「ざっくりとした数値を示す」などの使い方が広がっていきます。特にアメリカ英語の発展とともに、会話における「around」は、時間や数値をぼかすフレーズとして定着しました。また、イギリス英語においては「round」のほうが好まれる場面もありましたが、現代ではアメリカ英語の影響で「around」が世界的に一般化している印象があります。このように、「円を描くように」「周囲を取り囲む」という直感的な語源から派生して、多義的に発展してきたのが「around」の歴史的背景と言えます。回り道や周囲への広がりを含むビジュアルイメージが、そのまま「近辺」「およそ」「辺り」など多面的な意味合いへと進化していったのです。現代でも雑談からビジネス、学術シーンに至るまで、幅広く活躍する言葉として地位を確立しています。

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