Holy Sonnet 7 - John Donne
聖なるソネット第7番 - ジョン・ダン
Holy Sonnet 7 - John Donne
聖なるソネット第7番 - ジョン・ダン
「聖なるソネット第7番」は、ジョン・ダンが終末の光景と死者の復活をイメージしながら、最後の審判のときが来る前にこそ真の悔い改めが必要だと説く詩です。冒頭では、地球を“想像上の四隅”を持つものとして描き、そこへ響き渡る天使のラッパによって無数の魂たちが蘇る様を描写します。大洪水や炎、戦争、飢餓など、さまざまな災厄に呑み込まれた者たちが再び立ち上がるという、聖書的な壮大さが示唆されます。
しかし、詩の中盤からは、いったん終末の光景を保留し、語り手自身の懺悔と願いが前面に出てきます。彼は“まだ死者が眠るうちに、私は自分の罪を悔いる時間がほしい”と神に訴えるのです。“死後の世界”で神の恩寵を求めようとするのでは遅い、いま生きている瞬間こそが魂の浄化と救いの鍵であるという逆説が強調されています。
ジョン・ダンの他の聖なるソネット同様、この詩でも“死”や“審判”が一方的に恐怖として描かれるだけでなく、そこに“悔い改め”や“救済”の機会が潜んでいることが示されます。終末的イメージと個人的な祈りが融合することで、読者は世界全体の終わりを思い描きつつ、自分自身の内面へと向き合うよう促されるのです。最後に強調される“悔い改め”は、“神の血による赦し”と等価な行為であり、この地上における敬虔な努力こそが、終末の時における正しい立ち位置を得るのだというダンの宗教観が端的に表現されています。
• 天使のラッパに呼応して死者が蘇る“終末の光景”を背景に、悔い改めの重要性を強調
• “まだ眠っている魂”に対し、自分は“今のうちに罪を反省する時間が欲しい”と願う逆説的構造
• 終末を恐怖だけでなく“救済の入口”として捉え、人間の内面を深く掘り下げる
• ダンの聖なるソネットらしい、神学的視点と個人的祈りの融合が印象的な作品